来る来る廻る


大人のムードを漂わせたホストが、落ち着いた足取りでこっちに向かって来た。

「はい、何か?」

「おぉ、翔、今日からの新人、仁君だ。任せるよ」

「わかりました。よろしく」

と、翔と名乗るホストは俺にニコッと会釈した。

「仁です、こちらこそよろしくお願いします」

ホスト翔…あの自信溢れた優しい笑みは何なんだ?

この男には勝てない……これが第一印象だった。


初めて呼ばれた席は、OLらしき3人組…翔の担当だった。

俺の勘から言って、この3人は稚魚に値するレベルだろう、きっと……。

「かわいいじゃん!名前は?」

3人の中の一番ぶたが聞いてきた。

「仁です、よろしくっす!」

俺は、明るく最高に爽やかな笑顔で答える。

「あぁん~私のタイプ!ねぇ翔、これからこの子呼んでよぉ~」

「あぁ、いいよ」

翔は余裕しゃくしゃく、いつも穏やか優美な表情で接客する。

美形のくせに、この男はかなりの癒し系だった。

接客中、俺はトイレと称し何度も席を立った。

俺の眠り姫を上手く操っているホストって…いったい どいつなんだろう?


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