いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
鉄の扉を蹴り破る――なんてのは、非力な女子高生には絶対にムリ。
ということで、脱出口候補その一は消える。

ってことから、天井の丸窓しか逃げ道がないってことになるんだけど。


大きさはたぶん問題ない。
特別太ってない限り、どこかが引っかかって抜けられなくなるって心配はなさそうなんだけど。


(天井、高すぎ)


見上げる天窓は、はるかに遠く。
見上げ続けると、首がつっちゃうってくらい。

あたしに羽でも生えてれば、簡単に行けちゃうんだろう。
ま、生えてたら、脱出されそうな部屋には閉じ込めないか。


「万事休す……か」


石のように硬いベッドに腰をおろす。
こんな硬いベッドで寝かされてたから、どこもかしこも痛くてたまらない。

『花嫁』っていうわりに、待遇悪すぎなんだよね。

ま、あたしは『花嫁』っていう『道具』なんだから。
これも仕方ないのかな。


「はあぁぁぁ」


ため息ばっかり、さっきからこぼれまくってる。


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