いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
「三十分もぉ!」
ふと後ろを振り返る。
シュリの力なく折れ曲がった体が宙に浮かびあがり、見える背中から服を突き破るようにして黒い羽が姿を見せ、バサッという大きな音を立てて広がった。
「グァァァァァッ!」
奇声を上げる異形の主が体を起こす。
そこにあたしの知る『シュリ』の姿はなかった。
「シュリ!」
「いけません、姫様! いくら姫様であろうと、今の彼は平気で攻撃してきます!」
「あれなの! あれが魔人化なの! でも、なんで? なんでいきなり魔人化しちゃうの!」
「シュラがシュリの意識を乗っ取っているんです。今の彼はヤツの操り人形、意識的な魔人化よりも性質が悪い」
絶対絶命じゃーん!!
「それじゃ、どうにもならないの? みんながマスコット化しちゃって戦えない上に、シュリを元に戻す方法もないって言うの?」
シュリがあたしたちの会話を邪魔するように、羽を飛ばす。
ナイフのように鋭い羽が何本も容赦なく向ってくる。
その羽をクラウスっぽいクマさんがなぎ払う。
でも、ほとんど払いきれず彼の腕や肩に突き刺さり、一本はあたしの手を引くカレンの右太ももを掠めていった。