いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
目の前で、どういうわけか、先輩が浮いている。

浮いているって言うよりも

自分で飛んでるって言うほうが正しいかな。


学ランのような詰襟のタイトな黒服。
見慣れない真っ赤なマント。

でも、あれは間違いなく黒木先輩。

憧れの生徒会長様だ!!!

「先輩!!」


あたしは先輩に駆け寄ろうとした。

旅先で知っている人に偶然会ったら、誰だってほっとするもんでしょ?

「ユナ!!」

シュリの大きな腕にあたしは抱きとめられる。

「シュリ!! あの人は大丈夫だよ!! あたしの知ってる人だもん!! それに言ってるじゃん。『助けにきた』って」

「『誰』が、『誰』を、『助けにきた』って?」

「『先輩』が、『あたし』を、に決まってるじゃん!
ん? っていうか『誰』から『助ける』のかな??」

(まさか、シュリたちからってことじゃないよね??)

あたしはシュリを見返した。

シュリはいつもの「あーあ」っていう呆れ顔で、額に手をあてた。

おまけに大きなため息も付けて。


「そう……なの?」


フランとユーリを見ると、二人とも力強くうなずいた。

先輩、すっごい勘違いしてるってことじゃん!!
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