悲しみと魔法と、そして明日と
買い物を終え、パンパンに膨らんだ買物袋を片手に提げながら財布の中身を確認するリク。

「…よし!多分来週には僕ら餓死決定だな。遺書用の紙すら買う金ナシだわ。てへ☆」

そんなお茶目っぽく言った独り言を聞いていたのか、通りすがりの女性三人組が小声で「変な人だね」って言ってるのが聞こえた。

真っ白な雲が揺れる青空を見上げた。めっちゃいい天気。神様、お願いだからこの場所から僕の存在を消して下さい。いや、マジで。

ざわざわ…

「ん?」

ふと帰り道の先が騒がしいのに気が付き、目を向ける。

何やら西四役のナツ邸の前に張り紙がされているようだ。皆心配したような顔つきをしている。

リクは足を急がせた。
< 4 / 19 >

この作品をシェア

pagetop