やくざな主人と生意気ペット
 
「おはようございます」


ジョギングを始めて十分ほど経った時、まずいことに夢は叶った。

朝日より素敵に輝くイケメンボウイに出会ってしまった。

素晴らしい!素晴らしすぎるぞ!ジョギングから始まる恋なんて!


「おっ、おはよございますっ」

「最近始めたんですか?ジョギング。僕毎日この辺走ってるんですけど、初めて見かける方なんで」

「あ、あはは、そうなんですよ」



え?ちょっと待ってよおニイさん。
あたしら今走ってるよね?
なんでそんな長文息継ぎなしで言えんの?
さすがのあたしもびっくりだよ。
いやだ、更に格好いい。


そしてあたしはもうバテてきたよ。
運動不足は隠せねえな。


「大丈夫ですか?この辺で休憩しますか」

「あ、すみません」


イケメンさんに促され、桜の木の下にある錆びたベンチに腰をおろす。

その心遣いも高得点っす!


にしてもじっくり見るとやっぱ格好いいな、やべえ。

なんちゅーか爽やか発散してる青年だよね。

ん?あ、これマイナスイオンだ…?
ちょ!これマイナスイオンかもしれねえ!



「おい、何をしている」




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