ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】
玄関から随分奥に来たかと思う。

その部屋からは、さっき入ってくる時にみた日本庭園の景色ではなく、坪庭が見える。

坪庭には、ししおどしのような、竹を斜めに切った先から水がゆっくりと流れ、瓶(かめ)へとやわらかく注ぐ。
“京の趣”みたいなのが感じられる。

シンのお母様は茶道家元……この部屋で作法とかやるのかな?

坪庭のお陰で、日の当たりにくい場所なのに、日光が程よく差し込み、部屋が明るい。

アタシはシンの後に部屋に入り、彼が腰を下ろしたのを見てから、正座した。

「今、お茶をお持ちしますから、緊張なさらないで、楽にしてて下さいね」

「あ……はい」

楽にできないよ~。

これから採用試験の面接するみたいで………。

ああ………落ち着かない………。

ずっと下を向いたままだ。
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