ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】

#03 ためいきのベルが鳴るとき





―――――あの日を境に、シンは時間見つけては連絡してくれたり、逢うようになってくれた。


相変わらず、青葉まつりや七夕まつり、9月の定禅寺通JAZZフェスなど、会議所が大きく絡んでいるイベントの企画や準備。

それと併せて、中小企業診断士になるための試験勉強―――――


それなのに、仕事が早く終わった日、お互い時間が合ったトキは、M-blow近くの市営地下鉄広瀬通駅で待ち合わせして夜デートしたり。


アタシには8歳離れた双子の弟妹(きょうだい)の依生(いお)と実緒(みお)がいる。
二人が今年受験生ってコトを、シンは憶えていてくれていて。
平日の夜や土曜日にウチに来て、二人の勉強をみてくれた。


ウチは恥ずかしいコトに、双子二人を塾に入れる程の経済的余裕がなくて。
シンに勉強みてもらえるコトになって………。
シンも忙しい身。
気は引けたケド、アタシも素直に嬉しかった。


シンは
“いずれ、俺のめんけぇ弟と妹になるんだし。当然だろ?”
って。


さらりと言ってくれちゃって。


シンのお陰で、二人の成績はトップ10入り。今までは学年全体の半分辺りだったのに。

二人も、“シンちゃんの教え方は、学校みたいな詰め込み式じゃないから、どうしてそうなるか、ちゃんと理由を教えながらだから解りやすいよ!”と、目からウロコ。




ありがとう、シン―――――



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