ページェント・イブ ~エリー My Love~【長編】



―――――アタシはアタシで、実は結構忙しかった。


この秋、いずみサンが独立するコトになり、兼ねてから直近のアタシの夢でもあったチーフになるワケで。


美容師歴僅か3年での異例の出世(?)と言うか。
まだアタシにはチーフなんて早いな気がする。
ホントにアタシでいいの?
ってカンジ。


そりゃあ………アタシよりキャリアある先輩から、恨まれたり、嫌味の一つや二つや三つや………言われたりもしたよ。


今まで優しくしてくれた先輩が、掌返すように態度変わったりして。
めちゃめちゃツラかった。

“ああ、本当はそういうヒトだったんだ…”って本性判っちゃったよ。


家に帰って、部屋でひとりになると、思い出しては悔し泣きした………。



なるべく、表情や態度に出さないよう努めたケド、淳子サンに見破られ、理由訊かれたぐらいにして。
その後すぐ、淳子サンが先輩たちに話してくれたみたいで………。

それからは、落ち着いた………かな?
先輩からの目立った“仕打ち”を受けるコトは、今のところなくなった。


心配なのは、アタシがチーフになる秋以降。

また、嫌味とか出てくるかもしれない。

先輩たちの本性を知ってしまった以上、彼女たちを信じられなくなってしまった自分がいる。


まずは、淳子サンに認められた以上、“M-blow”の恥にならないように、ただひたすらやるしかないっ!!!


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