2LDKのお姫様
「はぁぁ……やっぱり俺、嫌われてるのかな」
家を出て歩きだす。
「会話がないし、だいたい恋人らしい感じのことも、何もしてあげられてないし」
時計を見つめる。
「やばい、間に合うかな……」
「だいたいさ、やっぱりアンタがしっかりしないから、ダメなのよ」
お姫様は本当に手厳しい。
「そうだよな」
年下の女の子に悩み相談など恥ずかしいばかりだ。
「だいたい……頼り無いし。目つき悪いし。ネガティブだし。」
「なんだかアンタ、まるで頭の上にマイナス付けて歩く棒よ」
と言った頃には
彼はずいぶん落ち込んでいて
「ああ嘘ウソ、良い所もたくさんあるって」
「例えば……」
「えーと…………」
悩む彼女。
「なんかこう彼女のヒモとしては世界一みたいな」
それは誉めてるのか、と
彼はまた落ち込んだ。