2LDKのお姫様
帰省して、早くも3日が経った。だが彼からはあのお土産のメール以来、一度も連絡はなかった。
まあ、同時にホノカたちからも連絡がなかったので、シオリには今回の帰省は実に有効な休暇になったはずだが……彼女の表情はあまりよろしくはなかった。
確かに、心配していた旅館待遇はなかったが、この3日間彼女は広い家の中で独りきりでいたのだ。
実は、シオリが帰省する当日に急遽叔母の実家で問題が起きたらしく、夫婦揃って北海道へ行ってしまい、シオリが帰った時にはキッチンのテーブルにお金と置き手紙が乗せられていた。
内容は、まあご自由に、といったモノなのだが、急にご自由にとは言われても遠慮がちなシオリにはかえって苦労ものだ。
冷蔵庫には、夥しい量のご馳走が用意されていたが、1人で食べきるはずもなく、結局それはご近所に配るしかない。
あまりにもシオリが華奢だと、夫婦は帰省中必ずシオリに大量のご馳走を食べさせる。
心配してくれるのは嬉しいことだが、少食のシオリには逆に大変なのだ。
しかし、この広い家に独りきりというのは、とてつもなく暇である。そしてとてつもなく寂しい。
彼にこちらから連絡するのも悪くないが、別れ際の彼の違和感が、それを留める。
シオリはいつも、帰省中に勉強道具を一切持っていかない。夫婦の前で勉強すると、何故か怒られるのだ。
だが今回はつくづく、参考書の1冊でも持って来ていればと、頭をかかえた。
まあ、同時にホノカたちからも連絡がなかったので、シオリには今回の帰省は実に有効な休暇になったはずだが……彼女の表情はあまりよろしくはなかった。
確かに、心配していた旅館待遇はなかったが、この3日間彼女は広い家の中で独りきりでいたのだ。
実は、シオリが帰省する当日に急遽叔母の実家で問題が起きたらしく、夫婦揃って北海道へ行ってしまい、シオリが帰った時にはキッチンのテーブルにお金と置き手紙が乗せられていた。
内容は、まあご自由に、といったモノなのだが、急にご自由にとは言われても遠慮がちなシオリにはかえって苦労ものだ。
冷蔵庫には、夥しい量のご馳走が用意されていたが、1人で食べきるはずもなく、結局それはご近所に配るしかない。
あまりにもシオリが華奢だと、夫婦は帰省中必ずシオリに大量のご馳走を食べさせる。
心配してくれるのは嬉しいことだが、少食のシオリには逆に大変なのだ。
しかし、この広い家に独りきりというのは、とてつもなく暇である。そしてとてつもなく寂しい。
彼にこちらから連絡するのも悪くないが、別れ際の彼の違和感が、それを留める。
シオリはいつも、帰省中に勉強道具を一切持っていかない。夫婦の前で勉強すると、何故か怒られるのだ。
だが今回はつくづく、参考書の1冊でも持って来ていればと、頭をかかえた。