学校イチのチャラ男と手錠∞でつながれちゃった女の子の物語(仮)

ひょいと深町京悟も本を覗き込んでくる。



「瞬ちゃんがさっき言ってた言葉、あれはね、チェシャ猫のセリフだったんだよ。
アリスが木の上にいるチェシャ猫にたずねるシーンがあるんだ。
『どの道へ行けばいいか、教えてほしい』って」



あたしは本の中のセリフを読みながら説明する。



「そしたらチェシャ猫は……
『それはアンタがどこに行きたいかによるだろう』って答えるの。
さらにアリスが『どこだっていいんだけど……』って曖昧なことを言うと、今度は『じゃ、どちらへいってもかまわないじゃないか』ってちょっと突き放したように言うの。ほらっ」



本を、深町京悟の目の前にかざし、チェシャ猫とアリスの会話のシーンを見せた。



「ね。さっき瞬ちゃんが言ってた言葉と似てるでしょ?」


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