*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜



藍ちゃんはうちに来た早々、私に頭を下げてきた。


「今日でバイト辞めるんだ。中途半端な形で辞めちゃって、本当にごめんなさい」

「私のせい……だよね」

「ううん。自分のせい」


藍ちゃんは悲しそうに微笑む。私と藍ちゃん、両方のせいかな。あんな言い合いをした後、普通に先生と生徒の関係でいられるわけないもんね。私は、昨日のことを思い出しながら口を開く。


「昨日はひどいこと言ってごめん。藍ちゃんが正しかったとは思えないけど、私の考えも甘かったって思った」

「……私もごめん。なんか、思い出したら悲しくなってきて」


悲しくない人なんていないよね。大好きな人との別れを選んでまでした決断。


「今でも神社に行って、供養してるんだ。だけど許してくれないよね。私が弱かったから……和人も赤ちゃんも傷つけて……」


藍ちゃんの言葉に、涙が出てくる。


私から見たら二十歳の藍ちゃんは大人に見えるのに、私と変わらない。


普通に一人の女の子なんだ。



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