*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜



ランチタイムでバタバタと店内を駆け回っていると、一人のお客さんが入ってくる。それは私のずっと会いたかった……。


「和人!」

「いてよかった。何時のシフトか聞いてなかったから、サクラがいるか心配だったんだけど」


走ってきたのか、息をきらして汗までかいてる。


「今日、合鍵出来たから。昼休みの合間に持ってきた。昼間も自由にスノーに会いに行っていいよ」

「ええ! ありがとう!!」


わざわざ合鍵を渡しに来てくれたんだ。日曜日でもよかったのに……。嬉しい!


「じゃ、行くね」

「うん! お仕事頑張ってね」


私の頭をポンっと撫でて、和人は店から出ていった。


な、涙が出そう。


私が何も言わなくても、寂しがってること、和人は気付いてるんだよね。


大切な鍵を握り締めて、ポケットに入れた。



< 158 / 472 >

この作品をシェア

pagetop