*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜



何なの、この展開……。


私はただ、和人に会いたくて。


急に行って、ビックリさせて。


仲直りして。


二人でムースを食べようって。


幸せなことしか考えてなかったのに……なんでこんなことになってるんだろ……? 何も反応しない私の顔を、和人は不安そうな表情でのぞきこむ。



「サクラ……?」


和人に握られた腕を振り払って、リョウくんの自転車に乗った。


「……和人は誰にでも優しすぎる。私はもう限界だよ……」


和人とヨリを戻しても、木下さんのことで、きっともめる。仲直りして、また傷ついて、ケンカして……同じことを繰り返すなら。



それなら、もう……。グッと唇を噛みしめる。和人は私の言葉を聞いて、ゆっくりと口を開く。


「サクラには誰よりも優しくしてきたよ……? 伝わってなかった?」



伝わってた……伝わってたけど。もう和人といるのは辛い。



「手を出すなって言われたけど、もう別れたなら関係ないよな。泣かせるくらいなら、俺がもらうから」



リョウくんが和人に向かって言った言葉に、私は目を見開く。


全力で走り出す自転車。風に煽られて、涙が頬をかすめていく。



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