*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜



なんで……?


和人は目に涙をためていて今にも溢れ出しそうで……。


「ごめん……10分しかないのに。嫌なこと思い出してた」


嫌な……こと?


「サクラが俺の腕を振り払って、リョウくんと帰って行った日のこと……今も振り払われたら、どうしようって怖かった」


あ。


私が……自分の感情に任せて、とった行動が彼の心に大きく傷をつけてしまっていることに、初めて気が付いた。


「もうさ、サクラとつないでるものなんて俺にはないし。約束していた今日しか、サクラに会えないって気がして……最後だから聞いて」


だから最後って……何よ? まばたきしたら涙が零れそうな瞳に見つめられて。


私は込み上げてくる涙を、止めることができなくて一筋の涙を零して、小さく頷いた。



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