*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜



「今日はありがとう。すごく楽しいデートだった!」


「……かなり遅れての誕生日祝いだけどね」



全然。好きな人にお祝いしてもらえるなら、いつだって誕生日になっちゃうよ。



「……俺さ、口ベタだからあまりうまく言えないんだけど……」


「何?」



夜景に目を奪われていた私は和人を見上げる。和人は握った手をさらに強く握り締めてくる。



「サクラと別れてから本当にかけがえのないものを失ったって痛感して、毎日が苦しくて辛かった」


「……うん」



それは私も同じだよ……?だけど一生懸命話してくれている和人の言葉を黙って聞いていた。



「純粋で一途で些細なことで喜んでくれたり……一緒にいると幸せに感じる。サクラの前だと本当の自分を出せる。一生大切にするから……俺とずっと一緒にいて?」



穏やかな口調で優しく笑いかけてくれて、私の瞳はすぐにウルウルと涙がたまる。



どこが口ベタなの?



めちゃくちゃ嬉しいことを言ってくれて……毎日、和人の電話で私はメロメロになっているの知らないの?





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