*゚。スノードーム。゚*〜満ちてく、愛の砂〜
「藍を忘れるために、サクラと付き合ったって言いたいわけ? マジで怒るよ」
怒った表情の和人を見たのは初めて。本気でキレさせてしまった。
分かってる。和人は元カノを忘れるために、私を利用したりしない。最低な自分の言葉に、涙がこぼれてきた。
「ごめんなさい……今日は帰るね。私、かなりウザイよね……」
過去のことを私から聞いて。
一人落ち込んで、嫉妬して。
和人だって困るよ。だって何も悪いことしてないのに。
バックを持って立ち上がると、和人が両手を広げる。
「サクラ、おいで」
俯いたまま首を横にふる。これ以上一緒にいて、最低な自分を見せたくなかったから。和人に嫌われたくないもん。
「俺のこと好きなら、こっちに来て」
そんな言葉、ずるい……。好きに決まってるじゃない。
涙を拭きながら、和人に近づくと優しく抱き寄せてくれて、私はそのまま胸に顔を埋めた。