恋文‐コイブン‐勇飛said
想い―オモイ―
あなたを見るたび‥あたしの鼓動は速くなる


あなたを想うたび‥
あたしの心は締め付けられるようで、全身で遠藤君を感じる。



頬が赤らむ。


「あ!!小川、コレ遠藤に渡しといてくれ」

石原があたしに遠藤君のノ‐トを差し出した。


いつものあたしなら‥「自分で持ってけよ」、「めんどくさい」、「最悪」、「何であたしが?」


そんな事をぶちぶちと言ってた。


けど遠藤君のだから‥素直にしゃべれると思って嬉しくて、ただ近くに行けるだけでも嬉しくて、心の中で先生に感謝した


単純すぎるかな?


あたしは先生からノートを受け取ると遠藤君のとこに向かった。


「え‥遠藤君‥」


〈遠藤〉そう呼ぶだけでも緊張した。


顔が赤くなるのもわかったし、じわっと汗もかいてきた。


「ん‐小川?なに?」

遠藤君の視線が‥あたしに向けられた、目が会う。


あたし‥今こんなに近くにいるんだ‥見てられない‥凄く緊張する‥


「石原先生が遠藤君に‥って‥」

「お!!サンキュー♪」


『サンキュー』、その言葉が凄い嬉しかった。


そういや男子ってあんまり『ありがとう』とは言わないよね、何でだろう?


あたしにはわからない事だけどね‥


「ってかよ‐小川下何て名前?」


あたし何かの名前知ってるわけないよね‥


あたしにとっては小川さえ覚えてくれてる事がもはや奇跡に近い。


「勇飛‥だよ」

「ゆうひか‥漢字は?」

「勇気の『勇』に飛ぶの『飛』で勇飛」

「勇飛か!これから呼んでいいか?」


え――――?



< 6 / 113 >

この作品をシェア

pagetop