Magical Moonlight

しあわせ

ある日。
ねーちゃんが、にーちゃんの家に泊まりに来た。
「俺のベッド狭いから、おまえは上で寝ろよ。俺、床で寝るから」
にーちゃんは、そう言って、布団を床に敷いていた。
「くま、どうするの?」
ねーちゃんが、にーちゃんに聞いた。
ぼくも、ねーちゃんの力を借りて、手を振ってみる。
「くま?」
にーちゃんは、ちょっとだけ顔をしかめた。
「おまえが一緒に寝てもいいぜ」
「え?いいの?」
「俺の代わりに、くまに添い寝してもらえよ」
やった♪ねーちゃんと一緒に寝られる♪
「よかったね、くま。今日は一緒に寝られるよ」
ねーちゃんは、そう言って、ぼくをぎゅっとしてくれた。
その光景を見ていたにーちゃんは、
「くまにはハグするのに、俺には何もしてくれないのかよ」
と、ふてくされてた。
< 24 / 36 >

この作品をシェア

pagetop