Magical Moonlight
その夜。
にーちゃんは、ふてくされながら、床で横になっていた。
ぼくは、ねーちゃんに抱かれて、ベッドの上で寝っ転がっていた。
「う〜ん、くま、やわらかくて、あったかいね〜」
ねーちゃんは、そう言って、ぼくをぎゅっとしてくれる。
ぼくも、ねーちゃん、好きだよ。やさしくて、あったかくて、いいにおいがする。
床を見ると、にーちゃんが何かゴソゴソやってた。
「やっぱ、床は寝にくいな」
そう言って、ベッドの上に乗っかってきた。
「あれ?」
ねーちゃんが、声を上げた。
「どうしたの?」
「床が固くて、寝にくいんだよ」
「でも、このベッド、シングルだから、2人だと狭いよ」
「寝て寝られないことはないだろ」
そう言って、にーちゃんは、ぼくの横に来た。
「なんだか、川の字みたいだね」
「真ん中はくまだけどな」わーい、にーちゃんとねーちゃんと、一緒だ〜!
ぼくは、寝息を立てている2人の間で、うれしくなった。
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