輝かしい変貌
「まぁ、掛けてください」
応接室なのか物置だか分からない雑然とした部屋に通され、一同は埃が被ったソファーに座った。
「で、話というのは?」
「申し遅れました、私高橋といいます」
高橋さんは癖で名刺を出しそうになったが、社名が入っているので、止めておいた。
一通り自己紹介が済むと、先程のおばさんがお茶を運んできた。
「実は話というのはですね…この街には代々伝わる勇者の剣があるとか…」
高橋さんが恐る恐る聞いた。
「ぁあ、それなら確かに我が街の大切な宝ですが、それが何か?」
「げっ…ホントにあるのかよ…」
石川くんが小声で漏らす。
「それ、譲ってもらえないかね?」
茂子がストレートに尋ねる。
「何をご冗談を。あれはこの街が何よりも大切に祀ってきた剣ですよ?いきなり現れた見ず知らずの方に譲るはずがありません」
「でしょうねぇ…」
高橋さんは予想していた言葉に頷いた。
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