パノと魔法使いとその仲間
車が行き交う大きな交差点のそばにパノたち一行は立っていた。

先ほどから通り過ぎるトラックをじっと見つめてはため息をついている。その目はナンバープレートに向けられていた。

目の前のバス停でバスを待つ若い親子が、そんな彼らを少し不審な目つきで時折り振り返って見やっている。

「なかなか来ないにゃ」

黒目を細くしてじっと見つめていたマイケルは大きなあくびをひとつした。

パノたちは米子ナンバーのトラックを探しているのだった。そのトラックの荷台にパノたちを放り込めば、たどり着く先は米子というわけだ。

そこからアヤを探すのも至難だろうが、幸いパノの記憶にはアヤの赤い車が残っている。

わずかな望みかもしれないが、それでも全くないわけじゃない。クロは運命が導いてくれるのなら、必ず会えると信じていた。

ここでクロに拾われたのだって偶然とは思えない。


そこから先は天意が導いてくれるはずだと──



「あれは!」

目指す米子ナンバーのトラックが見えた。思わず身を乗り出したが、またすぐに肩を落とす。

「幌のトラックってほとんど無いのね」

アルミの箱を太陽にギラつかせているトラックばかりで、それでは荷台に忍ばせることは出来ない。昔ながら幌をばたつかせたトラックを探していたが、それは昼を過ぎても見当たらなかった。


パノも過ぎ去る車ばかりを目で追って、半分目を回していた。さらに時間は過ぎて、もう夕方も近いという頃合だ。

「クロぉ~、トラック来ないねえ」

「うん、でも必ず来るから。ね」

「ありがとうね、僕たちのために」

「魔法使いは人のためにいるのよ」

「その割には僕のご飯も抜かれ気味にゃ」

「それはアンタのせいでしょ!」

クロが悪戯猫をねめつけると、マイケルは首をすくませ、逃げるように近くのバス停の屋根の上に登った。



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