ケータイ恋愛小説家
そうだよ。

蓮君は美雨ちゃんが好きなんだもん。


「へぇ……そうなの?」


幸樹さんだけでなく、みんなが意外そうな顔をしている。


「初耳。大輔知ってた?」

「いや、オレも初耳」


なんでみんなそんな反応なんだろう。

蓮君に好きな人がいるって、そんなに不思議なことなんだろうか。


あたしの疑問に答えるかのように幸樹さんが口を開いた。


「なんかさぁ……。アイツって女から言われてなんとなく付き合うってパターンばっかじゃん? どっちかってーと、不特定多数の女と流れで付き合ってる風に見えるんだけど」


不特定多数の女……って。

あたしの頭には、以前蓮君の部屋で見つけたたくさんの女性との写真が浮かんだ。

あれって、やっぱそういうことなのかなぁ。

だとしたら……。

逆に言えば、いつも受身な蓮君が美雨ちゃんにだけは自分から積極的にアプローチしてるってわけで……。

それだけ美雨ちゃんには真剣だってことにもなるよね。


「ヒナちゃん? 大丈夫? なんか今日元気ないね……」


「ほぇ?」


あ…いけない。

あたしってば……今、放心してた。


「え? 大丈夫だよ? 元気元気!」


あたしは笑顔を大輔君に向けてから、傍にあったジュースをゴクゴクと飲んだ。


――痛い……。

ほんとはさっきから、胸がチクチクと痛いよ……。



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