ケータイ恋愛小説家
カチッ……カチッ……ZIPPOの音。
目の前で、幸樹さんがタバコを口に咥え、火をつけようとしていた。
何度か擦ってはみるものの、石が擦れ合うようなジャリジャリとした音がするだけで、なかなか炎が上がらない。
「最悪……オイル切れてるし。恭子(キョウコ)、火、貸して?」
幸樹さんはタバコを咥えたまま隣に座っている彼女さんに声をかける。
恭子さんは自分のバッグからライターを取り出すと、片方の手でシュポッという音とともに火をつけて、もう片方の手を添えながら、幸樹さんのタバコの先へ近づける。
幸樹さんの方もそれに応えるかのように、顔を近づける。
やがて、ジワッという音とともにタバコの先が赤く染まったかと思ったら、一呼吸おいた幸樹さんが口から煙を吐き出した。
「サンキュ」
恭子さんはそれには何も言わず、口の端をほんの少し上げると、またライターを鞄へ入れた。
恭子さんは、口数が少ないものの、すごい存在感がある。
美雨ちゃんとはまた違ったタイプだけど、“美人”とか“キレイ”って言葉がピタリとあてはまる人だ。
あたしは目の前の二人の、流れるような一連の動作に見とれていた。
なんていうか……こういうのを阿吽の呼吸って言うんじゃないだろうか。
二人が近づいた瞬間、見ているこちらがドキッとするような、なんとも言えない艶っぽさのようなものを感じた。
「なんか……。すごく、お似合いですね」
あたしは小さくため息をつきながら、思わずそんな言葉を口にした。
何?――って感じで一斉にみんなの視線があたしに注がれる。
「あ……えと、その。素敵だなぁって。幸樹さんと恭子さんが」
コホッ!……コホッ!
いきなり幸樹さんがむせ始めた。
「冗談だろ?」
目の前で、幸樹さんがタバコを口に咥え、火をつけようとしていた。
何度か擦ってはみるものの、石が擦れ合うようなジャリジャリとした音がするだけで、なかなか炎が上がらない。
「最悪……オイル切れてるし。恭子(キョウコ)、火、貸して?」
幸樹さんはタバコを咥えたまま隣に座っている彼女さんに声をかける。
恭子さんは自分のバッグからライターを取り出すと、片方の手でシュポッという音とともに火をつけて、もう片方の手を添えながら、幸樹さんのタバコの先へ近づける。
幸樹さんの方もそれに応えるかのように、顔を近づける。
やがて、ジワッという音とともにタバコの先が赤く染まったかと思ったら、一呼吸おいた幸樹さんが口から煙を吐き出した。
「サンキュ」
恭子さんはそれには何も言わず、口の端をほんの少し上げると、またライターを鞄へ入れた。
恭子さんは、口数が少ないものの、すごい存在感がある。
美雨ちゃんとはまた違ったタイプだけど、“美人”とか“キレイ”って言葉がピタリとあてはまる人だ。
あたしは目の前の二人の、流れるような一連の動作に見とれていた。
なんていうか……こういうのを阿吽の呼吸って言うんじゃないだろうか。
二人が近づいた瞬間、見ているこちらがドキッとするような、なんとも言えない艶っぽさのようなものを感じた。
「なんか……。すごく、お似合いですね」
あたしは小さくため息をつきながら、思わずそんな言葉を口にした。
何?――って感じで一斉にみんなの視線があたしに注がれる。
「あ……えと、その。素敵だなぁって。幸樹さんと恭子さんが」
コホッ!……コホッ!
いきなり幸樹さんがむせ始めた。
「冗談だろ?」