ケータイ恋愛小説家
「へ?」


大輔君も慌てて顔を上げる。


「好きがどうかもわかんないなら、確かめてみれば? 会って、話して……自分の今の気持ち伝えて。だって、今のままだったら、前に進めないんでしょ?」


「ヒナちゃん……」


「自分の気持ちがわかんない――て、そういうの、なんとなくわかる。きっと、会えばスッキリすると思うよ。頑張って!」


話しながら、あたし自身も自分の気持ちを整理していた。

大輔君に忘れられない人がいるって事実を知っても、全然傷ついていない自分に驚いた。

むしろ応援したいって思ってる。

綾乃が言ったとおり、あたしが大輔君を好きだってことは、やっぱり勘違いだったのかな。


そして、あたし自身もホントの気持ちに気づきかけてる……。



あたしの中にある……


もう誤魔化しきれない“彼”への気持ちを……。



< 125 / 365 >

この作品をシェア

pagetop