ケータイ恋愛小説家

「あ……」


どうしよ。

それって……つまり。

そういうことだよね。

恋愛初心者のあたしでもハチの言っている言葉の意味は理解できる。

こういう時、なんて言ったらいいの？

うわーん……。

もう、パニック寸前だよぉ。



「日向が可愛くなった原因は……アイツ？」


ハチは窓の外を眺めながらつぶやく。

その視線の先には、蓮君と美雨ちゃんが入ったアクセサリーショップがあった。


「あ……」


あたしの口からは相変わらず言葉が出ない。

だって、どうすればいいかホントにわかんないんだもん。


「だとしても……オレは諦める気ねぇし」


ハチは窓の方へ向けられていた視線をゆっくりとあたしに戻した。


「だって、さっきの涙の原因もアイツなんだろ？」


そしてニッコリ微笑んでこういった。



「だったら、オレが諦める理由なんてどこにもないじゃん？」