ケータイ恋愛小説家
大輔君はドアのすぐ側の壁にもたれ掛かって、タバコをふかしていた。


うきゃあああああ。

こんなの不意打ちだよぉ。

油断してた……。

まさか、部屋に戻る前に出会うなんて。

予想もしなかった場所で彼を見たことに、またドキドキしてしまう。


「おかえり」


首を傾けて、ニッコリ微笑みながらそう言う大輔君。


「ヒナちゃんが戻ってくるの待ってたんだ」


「えっ……」


「あのさぁ……」


大輔君はそう言いながら、片方の手を壁について体をあたしの方へ向ける。

ちょうどあたしがその先に行けないように、“とうせんぼ”する形になった。

そして、ほんの少し腰をかがめてあたしの目を覗き込む。

その距離は、10センチぐらい。

タバコの香りがほんのり感じられるぐらいの距離。

あたしの鼓動はまた一段と早さを増す。


「抜けない?」


「へ?」


突然の言葉に思わず間抜けな返事をしてしまったあたしに、大輔君はにっこり微笑んで言った。





「オレ、ヒナちゃんと二人っきりになりたいな♪」
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