ケータイ恋愛小説家
もうあたしは涙目になっていて、とりあえず謝ることしかできずにいる。


あうあうあう……

もう、やだああああ。

まだ起きてたの?



「さっき……」


「え?」


「さっき……やばかった」


「何が……?」


蓮君は焦点が合っていないようなぼんやりした眼差しであたしを下から見上げる。

その視線と一瞬だけ絡み合ったような気がしたけど、蓮君は腕を自分の顔の上に乗せ、目隠しするような状態になった。

そのせいで、あたしには蓮君の表情が見えなくなってしまった。



そして、蓮君はそのままポツリポツリと言葉を紡ぐ。


「律子さんちで、お前の裸見たとき……」


「ええっ」


「オレ……焦ってた」


な、何言ってんのよぉおおお?

せっかく、忘れかけていたのに……。

今さら思い出させないでよぉ……。



「もう……ガキじゃないよな……」


蓮君はその言葉を最後に、口を閉じた。

そして今度は本当に眠ってしまった。


「もぉ……何よぉ……。何言ってんのよぉ」


静かな部屋で


蓮君の頭を膝に乗せたままのあたしはポツリと呟いた。


「……人の気も知らないで……振り回してばっかで……」


誰にも説明できないような感情が湧き上がって、胸が苦しくて……




……ただ泣きそうになった。





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