ケータイ恋愛小説家
蓮君、見た目が変わってキャラまで変ってない?


今目の前にいる蓮君はあたしが子供の頃から知っている彼ではないような気がした。



「フッ……」


蓮君はあたしの手首を掴んだまま息を漏らした。

そして、にんまり笑ってこう言った。



「オレが教えてやろーか?」


「えっ……」




そこでようやくあたしの手首と体は開放された。


「お前の言う、リアルな男心やその他もろもろ……。オレが教えてやってもいいよ?」


「ほ……ほんと?」


あたしは改めて姿勢を正して蓮君の方を向く。

事情を全てわかった上で引き受けてくれるなら、これにこしたことはない。

今きっとあたし、すごくホッとした顔してると思う。


「ただし……条件がある」


「へ? 条件?」


「うん」


蓮君は、一瞬いたずらっぽい表情をしたかと思ったら、小首を傾げてにっこり微笑んで言った。






「美雨ちゃんのアドレス……教えて?」




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