リボンの指輪
優希くんが、驚いたように、目を丸くする。




「窓から行き来出来るよ」




「楽しそうでいいな!」




「楽しくないよ!こっちは乙女だよっ!たまに帰ったら、ベッドで寝てるもん、あいつ」




その時の光景が、いやに懐かしい。




大して、前のことでもない。




つい、一週間前までは、その光景が普通だった。




「本当に、楽しくなんて……」




嘘だ。




楽しかった。




今なら思う。




「ちょっとさ、俺、思うんだけど」
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