リボンの指輪
ごめん、頼の“今の彼女”。




ごめん、香織、優希くん。




あたしは、また、道を踏み外そうとしているのかもしれなかった。




「……あたし、も」




それでも、気持ちは、変わらない。




ずっと一緒にいれるなら、どんな形だっていい。




頼が“恋人”“幼馴染み”“親友”“家族”。




全てを望むのなら。




「好き、頼……」




最後のほうは、震えてしまって、ほとんど声にはならなかった。




あたしの言葉が終わる前に、頼がもう一度、今度は今までにないほど優しく、あたしの唇に、自分の唇を重ねた。
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