君がいるから
第一章
「ねぇ、澪夜最後に
もう一度だけ抱いて・・」


『いいよ』


たった今、綾木澪夜(21)に
別れを告げられ
楽しく、淡い二年間に
幕を閉じた


あたし神崎那津(17)は
素直に受け入れるしか
なかった
好きだけど最初で最後の
強がり

どうしても大好きな彼の
温もりを忘れたくなくて
つい口に出た言葉

彼はいつものように
優しく抱いてくれた

けどそこにはもう
好きという感情がない
のは伝わってきた

いくら声を荒げても
君にはもう届かない


この溢れる感情・・


タバコを一服し無言で
家を去る澪夜


あぁ・・本当にあたし達は
終わってしまったんだ・・
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