君がいるから
『何しに来た訳?』


澪夜の冷たい一言・・

「ごめ・・」

『・・・はぁ』

「迷惑だった・・よね?」

『それより何で
ここって分かったんだよ』

「響夜くんから・・」

『あいつ・・っ』

「同じクラスになったの」

『そか・・・』

「何で何も教えて
くれなかったの?」

『お前には関係ない』

図星だった、解ってた
けど聞かなきゃ
いけないと思った


『どーせ・・』

澪夜は聞こえるか
聞こえないかくらいの
声で言った

「ん?」

『どーせ死ぬから教えても
一緒って思ってた』


・・?

澪夜は先が長くないって
ことわかってたみたいな
言い方したよね?

『それにお前等に心配
かけたくなかった・・』

「うぅ・・っ」

そんなに気を遣ってた
なんて知らなかった・・

澪夜はそっと涙を
拭ってくれた


『別れを告げたのも
もし俺が死んだとき
悲しませたくなかったから
なのに病気ってこと
バレたら俺の計画
台なしじゃんっ!笑』


「何で笑って
られんのよぉっ!」

あたしは涙を堪え
きれなくなった

グイッ

「!?」


澪夜は優しく那津を
抱き寄せた

『自分の病気解ってたなら
あたしと最初から
付き合うな!とか思った?笑』

「思う訳ない!
澪夜が今でも好きだから・・」

『俺、人生で最後の女を
お前にしときたかったからさあ
大好きだよ・・那津』

あたしは澪夜の腕の中で
嬉し涙を流した

このときあたしは世界で
一番幸せな女だなあって
心の底から思えたんだ―・・
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