君がいた部屋~二階階段前倉庫~


そんなある日、あたしはいつも通り学校に行った。


いつも通りの教室の風景が広がっていた。


だが、その中であたしは違和感を感じた。


桜?


教室の端で、桜は自分の席に座っていた。


たった独りで。


桜の回りでいつも騒いでいる3人の姿はなかった。


それはあたしにとって本当にぎこちなく、不安定な空間だった。


あたしがそうやって桜を眺めている時だった。


「市川!!」


坂田真紀が大声で叫び、3人が桜に近づいて行く。


その時


バンッ


坂田真紀とあたしがぶつかった。


わざとだ。


あたしはそう確信した。


だが


「ご免。美羽ちゃん。大丈夫?」


あたしは戸惑って声が出なかった。


何?


「ちょっと真紀。何やってんのよ。ご免ね、三神さん。真紀のこと許してあげて。」


浜崎早苗が言った。


「あ、うん…別に大丈夫だけど…。」


「本当にご免ね。」


坂田真紀は許しをこうような顔であたしを見る。


嘘…


何これ。


新しい計画?


そう思ったのはあたしだけじゃないようだ。


クラス全体が唖然としてる。


一体何があったのか、と。


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