秘密の片思い
ファミレスで良いと言ったのに郁斗は朝倉ホテルに連れて行った。


ぼんやりしていた愛は車が到着して初めてここがどこかを知った。


「い、郁斗!なんで朝倉ホテルなのっ?」


「なんでって・・・朝食食べるんだろ?」


「朝食ならファミレスでも良いのに」


車の外ではベルボーイが2人が降りるのを待っている。


「来ちゃったんだからしょうがないだろ?ここで食べようぜ?」


郁斗は車から降りると愛のほうへ回ってきた。


愛も仕方なく助手席を降りた。


降りると郁斗の手が愛の手を握る。


昨日の祐一郎の腰に回された時とまったく違う気持ちだ。


あの時は嫌悪感しかなかった。


(今は・・・うれしい)





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