秘密の片思い
「ブラジルに恋人を置いてきちゃったんですか?あちらの女性は情熱的だと聞いています。朝倉さんが帰国するにあたって彼女はどう思われたんでしょうか?」


涼子は愛が聞きたい事を聞いてくれた。


愛が今知りたいのは現在付き合っている女性がいるのかどうか。


「……それはノーコメントでお願いします」


郁斗が落ち着いた笑みを涼子に向けた。


「では、すみません、最後にもう一つ 今後の活動ですが?」


涼子の質問に郁斗は答えていく。


「いくつかのチームに誘われています まだどこに入るのかは決まっていませんが 日本でも良いプレーが出来たら最高だと思っています」


郁斗がカップに手を伸ばすと半そでのTシャツから日に焼けた筋肉質でいてしなやかな腕が見える。


その姿を目にするたびに愛は困ってしまう。


早くインタビューが終わって欲しいとさえ愛は思い始めていた。




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