秘密の片思い
『愛ちゃんに会いたいから近くのチームにしたんだよ 地方だとなかなか会えないでしょ?それに千波くんが言っていたけど、もっと強いチームから多額の契約金で誘いを受けていたらしいよ それを蹴ってまで東京のチームにしたって事は理由があるに違いないよ』


日菜が長々と説明する。


「日菜、それがあたしの為だとは思わないよ あたし、郁斗と何にもないんだから 弱いチームに入るのには違う理由があると思うよ」


『愛ちゃん・・・・』


「あ、ごめん、呼ばれちゃった」


『・・・うん またね』


日菜は電話を切った。



携帯電話を切った愛の手がかすかに震えている。


(あたしの為?そんなわけないよ・・・別れたんだから もう会わないって言ったんだから・・・・今となっては郁斗に婚約者がいなくても、もうあたしたちは・・・終わりなんだから)



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