秘密の片思い
「入院、家族にも知られたくないのか?」


出来ちゃった婚はともかく入院を知られるのが嫌な愛は頷いた。


「すぐにでも愛のご両親に挨拶したいけどな」


(病室では気まずいかもな 反対されかねない)


「・・それは・・・・退院したら・・ね?」


話していると目蓋が閉じたり開いたりしている。


「とにかくもう眠れよ ずっといるから」


今にも眠りこけそうな愛に言った。


「ん・・・・郁斗・・」


「なに?」


そう聞いた時にはすでに目を閉じていた。


「ありがとう・・・」


その言葉を呟くと寝息がかすかに聞こえた。



寝顔を見ながらもっと早く気づいてあげればと後悔した郁斗だった。



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