秘密の片思い
「悪い、廊下にいるんだ」


郁斗が申し訳なさそうに言ったが愛はポカンとしている。


「誰がいるの?」


「お袋と親父」


それを聞いて愛の頭の中は真っ白になった。



* * * * *



「ごめんなさいね?郁斗から聞いてわたしたちどうしても愛さんに会いたかったの」


にっこりと品のよさそうな笑みを浮かべた郁斗の母がうれしそうに言った。


「い、いいえ こんな所まできて頂いて申し訳ありません」


愛は戸惑いながら郁斗の両親に頭を下げた。


父親は口元に優しい笑みを浮かべ愛を見ていた。



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