秘密の片思い
「いいの?郁斗、練習で疲れているのに」


自分の事を考えてくれてうれしい。


「練習ぐらいで疲れないから 俺タフだし」


ちょうど信号が赤になり郁斗が愛の方を向く。


「ありがとう」


一人じゃないという安心感に包まれる。


郁斗が身を乗り出してさっと掠めるようなキスを愛の唇にした。


信号はすぐに青になり郁斗はアクセルを踏んだ。


しばらく進むと愛は自分のマンションへ向かっていない事に気づいた。


「郁斗?あたしのマンションじゃないの?」


ギアを握る郁斗の手に手を置く。



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