秘密の片思い
言ったとおりに郁斗は朝、9時に来て愛を迎えに来てくれた。


助手席に座ると愛は背もたれに寄りかかった。


入院していた間、横になっているばかりで久しぶりに歩くと疲れた気がした。



「大丈夫か?」


一息吐いた愛に郁斗が顔を寄せて聞いた。


「うん 大丈夫」


郁斗は愛しそうに愛の頬に手を触れてからエンジンをかけるとギアを変えて車を走らせた。


「ずっと一緒にいてあげられなくてごめんな 夕方には練習が終わるからその後愛の実家へ行かないか?」


「今日?」


「今日は日曜日だから平日よりもタイミングが良いだろ?」


確かに日曜の夜は家族が揃っている。



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