秘密の片思い
「愛、心配かけてごめんな?お前を愛しているんだ 間違ってもエレナと浮気などしない」


動かない愛に郁斗の手が頬に伸びる。


サッカー選手ではなくピアニストのような長い指先で愛の頬をそっと撫でる。


「郁斗・・・昔の彼女って・・・・誰?」


過去なんて聞くべきじゃないのに愛の心は今嫉妬で一杯だった。


「愛・・・・」


郁斗が困惑した表情になった。


「だって帰国後のインタビューの時に言っていた彼女・・・」


「愛、本当に聞きたいのか?」


静かにたずねる郁斗の声を聞いて愛は恥ずかしくなった。


郁斗の瞳から視線をそらして俯く。


「俺も愛の過去を知りたいよ だけどわかっているだろう?そんな事は無意味だって 愛に昔の男がいても今は俺を愛してくれているように俺もこれからは愛だけなんだから・・・愛している 愛が悲しい顔をしていると胸が痛いよ・・・」




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