秘密の片思い
退院後の生活などの注意を医師から受けた郁斗は気分が少し滅入って病院の外に出た。


愛の身体は回復に向かっている。


それは喜ばしい。


精神面ではいつ何かの拍子で思い出すかもしれない。


それが今日かもしれないし、10年後かもしれない。


記憶喪失に関してはまったくわからなかった。





郁斗は庭のベンチに座り深いため息を吐いた。


愛が退院すれば自分も普通の生活に戻る。


今日、監督から電話を貰った。


1ヵ月後の国際試合も郁斗はレギュラーだと。


次の相手は日本より格上なだけに郁斗の力が必要だ。


監督にそこまで言われては練習に参加しないわけには行かなくなった。


身体は大丈夫だとしても、愛をマンションに一人では置いて置けないな・・・・。



自分の実家に頼むか・・・。


お袋ならばうまくやってくれるに違いない。



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