秘密の片思い
前は何が何でも思い出したかったけど、今は思い出すのが怖い。


嫌っ!郁斗、助けて・・・


愛は膝を抱えるように身体を丸め両手で頭を抱えた。





「愛!?」


郁斗が部屋に入るとベッドの上で頭を抱えて丸くなっている愛が目に入った。


自分の声も聞こえないようで愛は身動き一つしない。


郁斗は近寄るとベッドの端に腰掛ける。


「愛?どうしたんだ?」


肩に手をやると顔を上げた。


「郁斗っ!」


やっと郁斗の存在を認めて愛は郁斗に抱きついた。




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