秘密の片思い

国際試合

あっという間に郁斗の試合の日はやってきた。


あれから2週間ほど経ったが記憶を無視すると決めてからの愛は頭痛もなくなり元気になった。



* * * * * *



郁斗が靴を履いているといつもは玄関で見送る愛が一緒に出てきた。



「郁斗、絶対勝ってね♪」


郁斗が車に乗り込み、窓を開けると愛が言った。


絶対勝ってね・・・か。


あの時も愛はそう言って俺を送り出した。


「郁斗?どうしたの?」


ぼんやりしてしまった郁斗に小首をかしげる。


「郁斗?」


「え?あぁ なんでもない 行って来るよ」


郁斗は手を伸ばし愛の頬に触れると微笑んだ。



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