秘密の片思い
愛は郁斗の帰りを待つ間、落ち着かなかった。


部屋の中を行ったりきたり。


買って貰った携帯を開いて時間を見てはまた閉じる。


「もう12時過ぎたよ・・・・」


遅いならばメールをしてくれればいいのに。


テレビ画面に最後に映った郁斗の悔しそうな顔が忘れられない。





郁斗が帰って来たのはそれから1時間後だった。


ドアが開いて愛はベッドから飛び降りると郁斗に駆け寄った。


「お帰りなさいっ」


近くまで行くとお酒の匂いがした。


「ただいま まだ起きていたんだ」


それだけ言うと大きなバッグを部屋の隅に置き、服を脱ぎ始めた。



< 535 / 646 >

この作品をシェア

pagetop