秘密の片思い
「赤ちゃん・・・・」


大きな声で泣き叫びたい。


気が狂いそうだった。


愛は右手を口元へ持っていくと泣き声を堪える為に強く噛んだ。




愛の様子に一つ空いた席の隣にいた男性が気にしていた。


「ご気分でも悪いのですか?」


男性が愛に声をかける。


その言葉は愛の耳に入らなかった。


愛は立ち上がるとふらふらと店を出た。



郁斗、郁斗・・・ごめんね・・・。


赤ちゃん、ごめんね・・・。


忘れてしまってごめんね・・・。




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