秘密の片思い
「気分が悪くなったら言えよ?」


助手席に座わりシートベルトを装着している愛に郁斗は言う。


「大丈夫だから・・・」


出かけるにあたって郁斗は愛に完全防備させた。


病み上がりの身体に外出は良くない。


毛布も後部座席に用意した。






郁斗は手を伸ばして後部座席からフリースのひざ掛けを取り愛の膝にかける。


愛は大人しくされるままで真っ直ぐ前を見ている。


熱は下がったが、気分は悪そうだ。


それに緊張もしているよう。


無理もないか・・・。


初めて墓に行くのだから。



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