今も恋する…記憶
約束
『もうすぐ新神戸駅に
着くわ!
なんか こわいわあ』

さくらの心はそんな気持になっていた。

『とうとう、着いた…』

駅のホ-ムに降り立った
さくらの心臓が早鐘のように鼓動している

『もうすぐ会えるん…
あの人になあ!
夢と違うん?』

たしかに、辺りの景色は変わり、在るべき所に在るべき建物が無い …


そこには
見上げるようなホテルが建っていた。


しかし、それは30年もたったんやから…あたりまえだ。


さくらは現実を目の当たりにしていた…


その時、さくらの目に飛び込んできた咲き誇る
ツツジの花の群生…


懐かしい記憶がよみがえっている。


『あの花を見るために…
通学の道を
わざわざ遠回りして、
… よう、きてたなあ』

『ここやわ…

北野の浄水場の斜面に咲いている…

この花が見たくてきてたん…

その花の綺麗やったこと今も忘れへんわ』


『あれから…やわ。
あのひとのこと

忘れられへんように
なってしもたんわ』


その彼は、新聞記者…


アルバイト先の新聞社で知り合い…恋をして…


『結局、うちは
その恋を…

一生引きずることに
なってしもたん!』





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